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6月0日 アイヒマンが処刑された日のCINEMASAのレビュー・感想・評価

2.5
 イスラエルとアメリカの合作。監督は、最近あまり聞かなくなったアカデミー賞女優グウィネス・パルトローの弟であるジェイク・パルトロー。

【ナチス・ドイツの大戦犯アドルフ・アイヒマンの処刑を巡る最期の6ヶ月を描く。「墓を建てると聖地化してしまうから火葬にして散骨でいっ!!」と考えたイスラエル政府だが、当時のイスラエルには火葬場が無いみょーーーん!! どうすっぺ!?】というスジ。

 哲学者ハンナ・アーレントによって<凡庸な悪>と看破されたナチ戦犯アドルフ・アイヒマン。ドキュメンタリー映画『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』や、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督の『ハンナ・アーレント』を観ていれば、より本作を理解出来るだろう。アドルフ・アイヒマンが遺した言葉に「私の最大の罪は従順であった事だ」がある。

 う~ん…… いまいち…… 移民少年目線になったり、アイヒマンを担当する看守の視線になったりで、視点が定まらない。かといって群像劇というわけではない。奇を衒ったカメラワーク(少年視点でアッチへ行ったりコッチへ行ったりとか)も、その手法だけが奇異なものとして浮き上がってしまっており、有機的な結合を見ない。表面だけをなぞったという印象。もっと社会派に徹してしまえば良かったのに、と思う
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