相当な問題作かと。
原作未読。
7年前に起きたあの事件をモチーフにした原作を映画化した本作。
題材を知ったうえで、石井裕也監督がどう描くのか今日を心待ちにしていた。
観終わり、監督の覚悟に触れ、しばらく放心してしまった。
そして本作が撮られた背景や過程、今までネタバレを避けて目にしてなかったあらゆるモノを読み漁ってしまった。
役者陣がとんでもない。
言葉で表せる領域ではない。
なかでも、同じ名前の「さとくん」を演じた磯村勇斗。
よく受けたな、と。
役者を飛び越えた、いち人間としての姿が見て取れた。
監督のインタビューにあった一文。
『生きる価値がないと命を選別して殺した彼は、命はすべて平等にあると怒る社会から、お前は生きる価値がないと判断されて処刑される。
せめてその矛盾に世間は気づくべきだ』
本作で、やっと石井裕也監督作品をスクリーンで観れたという衝撃は私にはあまりにも大きすぎた。
『月』というタイトル、、凄い。