さいころ

月のさいころのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.2
作品のテーマが一貫していて清々しいものの、あまりにもキャラクターが饒舌に喋り過ぎて情緒がないように感じた。情報量が多いと何かを訴えられているようにみえるが、作品全体がつくりものめいてくる。

またストーリーありきでキャラクターを動かすと、あやつり人形にみえるパターンがある。例えば施設の先輩職員がヒトラーの経歴を話し出すシーンもその1つ。キャラクターに想定される知性と、会話の内容に乖離が発生し、キャラクターの後ろに脚本家の姿が透けて見えてしまった。

汚いものから目を背けてはいけない。それはわかるが、汚いものをただ陳列するだけだと、私は困惑してしまった。
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