GaPTooth

月のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

心底怖いなぁと感じたのは、彼方此方に透けて見える監督のドヤ顔。してやったり感。何か違うよな。無理がある。

 『聖書』によると「全ての人の命の価値」は皆同一であり「全ての人は神にとって貴重な存在」です。この全ての人には生まれつき障害をもっている人々も含まれることは言うまでもありません。人の命の価値に優劣は無いのです。
 いかなる理由であれ自分の命を軽々しく扱うこと、ましてや他の人の命を危険に晒す行為は神に対する冒涜として禁じられています。全ての人の命は尊厳をもって扱われなければなりません。
...なんて当たり前の理を歪めてしまうような映画になっちゃってて残念でした。

「他人事じゃない。自分事として考えてもらえるような作品にしたいと思いました」と語っていた監督には悪いけど、視点が違う。監督自身が上から目線で描いてるから。描き手の差別意識が全面に写し出されてた。
現在進行形で自分事である私には到底受け入れられない作品。同様の状況に身を置く人たち(現在進行形で自分事な人たち)にはとてもお薦めできない。

宮沢りえは良い意味で"人間らしく"て良かったが、表面的で薄っぺらな犯人役俳優の力不足感は否めず。演技力のある俳優であるオダギリジョーに逃げ道としての役割を与えたのは失敗ではないか。
たかだか映画で問題提起って恥ずかしくないんですかね。監督さん。
☆無しで

2023年10月18日(水)AM9時20分の回
GaPTooth

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