dm10forever

月のdm10foreverのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.5
【表と裏】

アメリカが「アポロ計画」を中止してから久しい。
1969年に「アポロ11号」が月面着陸を達成して以降、急激にアメリカ国民の熱が冷めてしまったことも要因の一つだったようだ。

それまで人類が月へ辿り着くことは「夢」や「憧れ」であったのに、いざ人類が月面に到着してみると、途端にそれは「現実」「事実」へと変わり、やがて人々の関心は薄れていく。

我々人類にとって月とは、遠くにあってぼんやりと輝いている程度がちょうどいいのかもしれない。
実際の月は、音も空気もなければ餅を搗くウサギもいない「無味無臭な星」。
それが現実・・・。

それにしても、月ってちょっと不思議な星なんですよね。
常に地球に対して一定の角度で「同じ面」しか見せない。
それはまるで裏側を見せることを拒むかのように、常に「いつもの顔」だけを我々に向けている。
僕はその手の専門家ではないので詳しいところはよくわからないけど、それでも子供の頃から漠然とずっとそのことを疑問に思っていた。

我々に見せるのは「夜空にあって、ひと際白く輝いて辺りを照らしてくれる月」という表情。
でも、その裏側を見ること(見せること)は決してない。

それは月が見せないのか、それとも我々が見ようとしないのか・・・・。
それとも「アポロ計画の中止」は≪見たくないものを見ないため≫という人類の選択だったという事なのだろうか・・。

続きはネタバレも含む故、フィルターをかけて「あの森」の中に残しておきます。
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