ネオねお

月のネオねおのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.5
宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ、オダギリジョーの四人の演技は素晴らしかった。

普通の人であると思っていたさとくんが、ちょっとずつおかしな考えに傾いて行く様子が不気味。
ほんのちょっとおかしいなって感じだったのに、めっちゃ壊れてしまった。臭いまで伝わってきたおかしいってことをはっきりと言ってくれた、宮沢りえとオダギリジョーがいてくれて良かった。
でも、すごく自問自答しながら正しいところに自分を持っていくためにもがいてる様子があって、観ている私たちもみんな自問自答させられた。
出産前診断について。意思疎通ができない障がい者たちについて。綺麗事で自分は考えていなかったかって。
出産前診断をして、堕胎した友人に命を選別するべきではないなどと酷いことを言ってしまった自分を思い出した。欲しくて欲しくて欲しくてやっとできた子を失くす辛さは他人には分からないのに‥

子供を3歳で失う辛さが、痛いほど伝わる演技で、ここまで深い悲しみがあるものなんだと苦しくなった。でもやはり体験したことがないことは、本当には分からない。そう思った。映画は擬似体験をさせてくれる媒体であるんだなとそう思う。一人の人間の人生では体験しきれない出来事を。

二人は出産前診断結局したのかな?
しなかったっと思うけど‥
ネオねお

ネオねお