ラピュタん

月のラピュタんのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
5.0
。。。。。。。
心に迫る傑作
。。。。。。。

感動した💦
観てよかった💦 

凝縮して端的にいえば
本作は月を描いている
   ノカモシレナイ

  🌕 🌖 🌙

観賞者の心を揺さぶる月光のよう

観た後には新しい視野が広がって
見えていなかったものが形を作る
月の視座から地上を照らす淡い光

  月  🌙  ルナ

古来西洋では狂気を呼ぶとされ、ルナティックは狂気という意味

狂気を象徴する月は、同時に
忘れられてしまうことの象徴

満月や名月には興味があるが
見えない見えても観るのは稀

月は地上とは相容れない存在
遠く冷たく生命は拒絶される
だが
月は命の誕生に深く影響する

まず本作の題名が素晴らしい
テーマを深く印象づけるから

満月でなくとも月は月なのだ


   🌕 🌖 🌙


4人の視点が交差しつつ進行する
観客はどの視点も体感できるのだ
それぞれに抱える重くて深い喪失

喪失が4人を静かに覆っており、ヒリヒリと痛みが伝わってくるのだが、いつ爆発してもおかしくないような雰囲気が冒頭から充満している見事な演出に支えられて、日常のシーンを描きながらも、どこかザラついた非日常感が同時に感じられる
不穏さと不安定が軽さの中にあるのではなく、かなりの重厚感を伴って迫ってくるようで緊張感が持続する
終始目が離せなかった
とにかく全てのシーンが素晴らしい

観る覚悟は必要なのかもしれない
が、観られるべき作品🐍🌳🦋

観逃せない、日蝕のような作品…


 🌲 🌲 🌲 🌲 🌒

優生思想は、古代からつい最近まで、人々の集積により文明化が始まってからの五六千年の長きにわたって人類が手放すことのなかった、ある意味で「歪だが自然な」感覚といっていいのかも知れない…
(例えばらい病のことを思い出せば明らかではないか)

…それを理性によって克服しつつあるのが、楽観的にいえば、今日なのではないだろうか?

監督・脚本を手掛けられた石井監督はもとより、作品に命を吹き込んでくれた役者の皆さんに、
つきることのない拍手を贈りたい
  👏👏👏🌕👏👏👏



   🪐 蛇足 🪐
   以前のわたしは
   知っていました

このような事件が起きる前の現場には、厳しい不都合な真実🍏がありました…
(当事者ではなくて、垣間見た程度の傍観者としてですが、🍏を知る機会があり、小さからぬ衝撃を受けました…極めて例外的な現場とは限らなかった…でも、いつしか忘却してしまった💧)
それが、本作ではかなりリアルに描かれていたと思います
また、
311の現地にも行った経験があります
確かに清濁を超えたカオスが全てを圧倒していて、壮絶な悲劇が残されていたのですが…
それでも、誠意にあふれた協力と尽力が、荒地に咲く草花のように現地にあったことが忘れられません
そんな花の一輪が、陽子さんなのでしょう



蛇足の駄足

11/23は、二階堂さんの作品を続けて観た日になりました
ひとつめは、「翔んで埼玉」です
対照的すぎますよね……💦

出番が少なかったのは、きっと本作で忙しかったのでしょう!と納得(早合点?…知らんけど)
ラピュタん

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