『マネー・ショート』から１０数年後の世界。あの時と同じように世界経済は危機に直面しているのだが、コロナの影響で閉塞する世の中はつい最近の事で、忘れかけていたあの時間を思い出させる。
ゲームストップへの愛やリーマンショックによる無職の期間がバイタリティとなり、ネット配信を利用して個人投資家たちを率いる主人公と、空売りで私腹を肥やす巨大ヘッジファンドの階級闘争。対立構造、行動理念、大義名分。全部シンプルで難しく考えるようなことじゃない。ラストの公聴会で主人公が思いのたけを総て話すが、フィクションなんかじゃないと改めて感じさせられる。とにかく刺さる。
経済がメインテーマの映画であるが故に人を選ぶ作品だとは思うが、見応えがあって知識が薄くてもかなり楽しめた。食わず嫌いせず観てほしい。『マネー・ショート』と合わせて観てほしい。
