すずす

囁きのジョーのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

囁きのジョー(1967年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

耽美的な映像派の斉藤耕一の映画監督デビュー作。主人公の独白で展開する、身勝手だが奔放な映像美はCF的にカッコいい。

1964年制作『月曜日のユカ』(中平康監督、斎藤耕一・倉本總脚本)のアンサーソングのような作りになっています。前者が女性版、本作が男性版です。

67年にして敢えてモノクロ、スコープサイズで、音学には世良譲、ナベサダも出演。ボサノバ、スキャットに乗せて展開する六本木族の刹那な青春。邦画には余りないタイプ。

ジョーは仕事のない、六本木の遊び人。モデルの恋人・可奈子を財閥の御曹子・三輪にあてがい、一応、仕事につこうとしている。
ジョーは恋人の可奈子を三輪と二人で深夜の街に送り出す。三輪と一夜を共にした加奈子。翌朝、可奈子とジョーの間には深い溝が出来ている。
ジョーは馴染みのクラブで、女を拾う。一晩共にした後、ジョーの職業が殺し屋だという言葉に乗せられ、元ヤクザの夫を殺してくれとワルサーの銃を渡す。国立競技場、ジョーは詰まらないリアルを嫌うかの様に、本当に夫を殺す。怯えて逃げる女。パトカーのサイレンが鳴る。
ジョーは浮浪者の老人を連れて逃げ、人気のない海岸で、夢だったブラジル行きを実現させようと、丸太で筏を作りあげ。可奈子に居場所を告げ、彼女がやって来たが、刑事が後をつけていた。
誤解したジョーは可奈子を射ち、警官と拳銃戦を交えたが、老人が射たれてしまう。ジョーは可奈子をかつぎ、筏で海へ漕ぎ出す。

妻と作った製作会社で、資本は松竹ご提供。
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