ぺんぎん

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!のぺんぎんのネタバレレビュー・内容・結末

1.3

このレビューはネタバレを含みます

完成披露舞台挨拶で観ました。

下記のワードに思うことがあったり、自分が当事者であったりするなら、途中退席する気持ちで臨んでも良いのかなと。直接的なシーンはありません。


レズビアンである彼女たちがレイプされる意図がいまいち掴めませんでした。性加害が単なるエンタメではなく、意思を持って、テーマとして入れてられていたと思うからこそ、気になりました。

もちろん工藤という男の有害な男性性を殴り殺すことに掛かっていて、かつ赤い女と赤子が結びつくお約束も重々承知ですが、その儀式にレズビアンがレイプされる過程が必要であったのか、反対に、そのレイプに内なる有害な男性性が必要であったのか、まだまだ消化しきれていません。

女、そしてレズビアンが殺されたり犯されたりして、物語が展開する作品はこれまでもあり、その系統でつくられたのかもしれません。

レズビアンに意図はないなら、露悪的な表現で、女が犯されれば男の大義名分ができるから良いなとだけ思いますが、白石晃士監督作品を観てきて、そうは考えられないので、(もとよりエンタメとして大多数が楽しむための性加害の可能性もありますが)、なんだか惜しい気持ちになりました。

レイプ犯との間にできた望まれぬ赤子に名を付けるのも古典的な母なる神といった様子でしたが、赤い女の「身籠り(と堕胎)」と工藤の「有害な男性性」は妙にすれ違い……前を向け!前を向け!に応答するためには幾つか欠けていて、ぼんやりしていた気がします。

ただ最後に世界に破滅をもたらしてくれたのは最高でした。
ぺんぎん

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