わしみや

国葬の日のわしみやのレビュー・感想・評価

国葬の日(2023年製作の映画)
3.7
「なぜ君」「香川1区」で大好きになった大島新監督の最新作を鑑賞。国民が大きく二分された「国葬」をテーマにしたドキュメンタリー。個人的に少しく関心を持っていたテーマでもあるので上映開始日に劇場に向かった。
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映画としての感想を言うと、「なぜ君」「香川1区」と比べると「国葬の日」というたった1日を切り取っているためストーリー性に乏しく、日本各地のインタビューをある種ストーリーになるように構築していることは感じられたが、当たり前だが前作のようなドラマ性はなかった。もしかしたら自分の好きな「なぜ君」「香川1区」は大島新監督ももちろんだが、それ以上に小川淳也という男の主人公性や生き様だったのかもな。
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賛否別れる数々のインタビューの中では、自分としては福島のおばあさんと長崎のおじいちゃんの言葉が印象に残った。特に長崎のおじいちゃんの「そんなに偉くないだろ」という言葉にハッとし、その後に映される清水東高校サッカー部の生徒たちが災害ボランティアに取り組む姿に「偉い」とはどういうことなのかを考えさせられた。安倍晋三は本当に偉いから国葬されたのか。長く首相を務めたことは偉いのか。
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映画としての満足度は前作より薄くなったが、やはり政治への関心を高めてくれる大島新の作品はすごい。
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