松井の天井直撃ホームラン

妻の心の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

妻の心(1956年製作の映画)
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↓のレビューは。今はもうなくなってしまった映画レビューサイトに、鑑賞直後に投稿したレビューを。こちらのサイトに移行する際に、以前のアカウントにて投稿したレビューになります。

☆☆☆☆

家業の薬屋の仕事を継いだ次男坊夫婦。経営が苦しい事から、やむなく店舗の庭を改築して喫茶店経営を考える。
長女は嫁に行き、母は喫茶店に反対している。
するとそこに、東京の長男一家が転がり込んで来る。

それだけの話。

それだけの話なのに、何故にこれほどまでに最高のサスペンスが生まれるのだろうか。
しかも妻の高峰秀子の友人(杉葉子)の兄として、三船敏郎が最高の大スターのオーラを発散させながら登場するのだから。
スクリーンを見つめながら「一体どうなるのだろう…」と、ハラハラしてしまった。

その為に、最後があまりにもあっさりと終わってしまうのには驚きを隠せないのだが、こんな単純な話が最高のサスペンスを生むとは、成瀬巳喜男の演出力には息を呑んだ。

2008年 9月26日 新・文芸坐