カラーで描かれるこの横浜の世界観もまた最高だった。モノクロも良かったけど、カラーもカラーで凄く良かったな。
このシリーズは、登場人物のほとんどが社会からのハミ出しもので、それでも一生懸命に生きている様を描き切っているのが素晴らしい。
今回の敵役である白い男なんかは、戦争に未だに囚われている男であり、当時の街並みを再現しているストリートが登場するのは、その象徴であり、上手くエンタメに落としこめているのは、とても良かった。
対する濱マイクは、白い男と対比して、なんの力も持っていない、それでも譲れない信念を持っているのがカッコよく、こうやって生きてみたいと思わせてくれるのだ。
濱マイクの出生との歴史と共に、両親と横浜の時代を駆け上がっていく様が、最高に痺れて、タイトルが如何に的確で、言葉選びのセンスが素晴らしいかを物語っている。
遥かな時代の階段を、まさに今昇っている最中であるのが、世代交代であり、また1つの人生に幕が閉じるという意味でもジーンときた。
エンタメに上手く戦争を取り入れて、赤貧に喘ぐ登場人物たちを絡めて語られるポリティカルな部分の汚さを融合した脚本の優秀さは、まるで笠原レベルに完成されていると思えた。
ほとんど語られないんだけど、母親との関係も良かった。遠巻きに見るマイクの構図も良かった。