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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のyuassauyのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

一応書いておこう。
まず脚本家としての妙は見せてもらった。
アニメーションも素晴らしかった。
大人も子供もそれぞれ楽しめるポイントは確かにある。
これは前提。

いきなり身も蓋もない事を言うが、テーマとしているメロディに魅力が無かった。これが全てではないだろうか。最後のシンフォニーの時に一部引用した「夢をかなえてドラえもん」の時にやはりみんなの心に残る名曲だなぁと感じたもの。そしてテーマ曲は覚えていない…ミッカの声はとても素敵だった事は言い添えておくけど。

音楽へのリスペクトはどれくらいあったんだろう?と言うか演出家は音楽(ここではシンフォニーか)への情熱はどれくらいあったのだろう?ヘドウィグ・アンド・アングリーインチは初っ端から歌で、しかもカット無しでまるまる聴かせるよね?それくらい音楽を信じられなかったんだろうか?作中街中で流れるパチモノっぽいアイドルソング、ダンスミュージック、ヒップホップ?は一体なぜそれに人が惹かれているのか、スタッフはチラッとでも頭に浮かんだんだろうか?悪者はノイズ、で良いんだろうか?私ノイズミュージック好きですけど。シューゲイザー達もメルツバウも、ただの冷蔵庫の作動音でも…

もしそういう音楽への愛を表現するような作品なら、もしかしたら4万年前の笛は「のび太の新石器時代」とかでやればよかったかもしれないし、最後のネタ回収的な日記とドラえもんの道具のオチは出てこなかったかもしれない。脚本としては捻りがないものになったのかもしれないが、物語のために音楽が弄ばれる事も無かったかもしれない。と考えるくらいにはストーリーテリングの道具として使われてたよね音楽…

これは泣き言と重要なポイントと両方含むんだが、ドラえもんの映画のお約束が見れなかったよね今回。映画の時だけいい奴になるジャイアン、しずかちゃんの風呂、一番大事なメインキャラクターそれぞれのパーソナルな悩みと葛藤の末の決断と成長、無かったんだよな…楽器を弾くのは上手くなったんだけど、それで彼らはどんな成長をしたのか?が見えない。そしていきなりオーバーサイズのファッションにキャラ変させられたスネ夫よ…ごめんしっくりこなかった。

瑣末な部分だけど、モーツェルはモーツァルトなら不謹慎なトリックスターキャラじゃないのかねぇ?彼の手紙を少しでも読んだことがあるんだろうか?ワークナー紹介すらされないし、ヴェントー「普通に目も耳も聞こえるキャラなのね?」って心の中で突っ込んでしまった。

うーんもやもやしすぎだろうか?
いや、途中の設定をたらたら説明するくだりでは客は皆一度飽きてた。子供を捕まえにいくなら、物語が進んでいくだけでルールを追える様な工夫が欲しい。

あ、オープニングの音楽の歴史を辿るのは良いと思いましたよ。
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