このレビューはネタバレを含みます
お金や家庭や友人たちに悩まされながらも妻に対して、最後には諦めにも近い誠実さを見せる小林桂樹のさまざまな表情、三船敏郎に近づききれない高峰秀子、、人によって愛の表し方は違うのだから、、と当たり前のこ…
>>続きを読む台詞にある前橋、温泉などから連想すると、舞台は群馬のどこかですかね。夫婦生活の危機、縁談持ってくるおばさん、針の筵な自宅とよその家の魅力的な兄妹の対比、そして金……という成瀬ワールド全開なんだけど、…
>>続きを読むつくづく金の話ばかりの井手俊郎脚本×家庭内の微妙な不和を細心のカット割で演出する成瀬巳喜男の妙技による高密度のヤダみ、サイコー(サイテー)。成瀬作品における中北千枝子の中北千枝子性は存分に発揮され、…
>>続きを読む川本三郎さんの著書『成瀬巳喜男 映画の面影』なる本を読んでから、成瀬巳喜男監督作品を観る気持ちが変わってしまった気がする。
「具体的な金額を明示しながら、常に金の話が出てくる」という川本氏の指摘が気…
『妻の心』三船敏郎が成瀬映画では窮屈そうだが、高峰秀子との雨宿りのシーンでは繊細なメロドラマを演じることができることを証明。どこかエロチックでも。何だかあいまいに終わるのが家族の問題としてリアルでダ…
>>続きを読む当たり障りない話題から突然赤ちゃんまだですの?を皮切りに静電気くらいの軽い絶妙なピリつきが持続する中北千枝子(大変ですわねしょっちゅうお出かけで)とデコさん、薬局飽きたからカフェやりたいって最初から…
>>続きを読む保険屋の真意も長男の解雇も芸者の自殺も全ての理由は周到に描かれず排除されているがその空隙に見えずに詰まっている数々の切り捨てられた感情が蓄積されていくけれど決して崩壊はしない日常。兄の反応を伝えにき…
>>続きを読む「女なんて損な役割ばっかり!」というフェミニズム映画。しかし最後は丸く収まるので「足りない」気持ちはするんだけど、姑、兄嫁、義理の妹、叔母、独身の女友達、芸者など、生き方や立場の違う女性がたくさん出…
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