パイルD3

悪魔の追跡 4Kデジタル・リマスター版のパイルD3のレビュー・感想・評価

4.0
久々に都市を離れて遠乗りしてきましたが、高速は明るいのでまだいいんです。問題は降りてから…

目的地へ向けて山間の見慣れぬ狭い二車線の道を走る時、それも夜、当たり前なんですけど…

道が真っ暗 ⚫️⚫️

成田の方へ行くとタヌキ出没のかわいい標識をよく見かけますが、そんな標識すらひとつも無くて、民家らしきものが道路から300メートルくらい引き込んだ場所ににチョロりと見えるくらいの道は、ひたすら暗闇で、自分の車のライト以外全く街灯が見当たらない所ってありますよね

同乗者がいたからいいけど、1人だとホラーな妄想しかしませんからね
最近観たホラー映画の恐ろしいところだけ、全部思い出すんです、全部。
その瞬間、幽霊の存在を急に信じ始めた激弱人間と化してます

そんな道で対向車が見えると嬉しくなるし、自販機が見えようもんなら、降りて撫で回したくなりますよね…それはないか

で、夜道を走ると頭をよぎる一本が「悪魔の追跡」
ただこの作品は、怖さの質が昼も夜も関係ない不気味なところが嬉しくなります。

実際に友人同士のピーター・フォンダとウォーレン・オーツというアメリカン・ニューシネマのアイコンみたいな俳優の共演もあって、スタートから幕切れまで超70年代の匂いが染み込んだ異色ホラーです

この手のB級映画からZ級の中には、何度観ても心が躍るような作品が紛れ込んでいて、それを探す途方もない無駄の多い旅も大好きなんです


【悪魔の追跡】

仲のいい男2人が、妻たちを連れてオフロードバイクを楽しもうと、新車のキャンピングカーにバイクを積んでテキサスの田舎へと出掛けるが、夜、郊外で野営していると近くで突然炎が上がり、見てはならないものを見てしまう…という話

《見てはならないもの…》
その見てはならないものというのが、仮面をつけたカルト教の集団による生け贄の儀式で、いきなり4人は宗教殺人の目撃者になってしまう

カルトなややこしい連中に見たな〜!とばかりに気づかれて、執拗に追跡されることになる

ややこしい連中なので、最初は嫌がらせと思わせておいて、次第に殺意を剥き出しにしてくるのだが、ジワジワねっとり絡みついてくる感じと、狂気を帯びた襲撃を仕掛けてくる感じの落差攻撃が出色。

《異色B級ホラー》
50年ほど前の作品だけに、今観ると展開のテンポに乏しいのは否めないが、CGなど一切なしの時代の作品なので、徹底したアナログによるカーチェイスとスタントの力技には凄味がある
屋内外を使い切った荒っぽいアクション+ホラーというのがイイ

《キャンピングカー》
もうひとつの舞台となる、主人公たちの移動式要塞とも言える図体のデカいキャンピングカーが、いかにもアメリカンなアクション映画らしいノリで見せ場を生み出している

昼夜関係なく、不気味度数がしっかりキープされている“屋外ホラー“としては、先駆的な大先輩作品としてもっと評価されてもいいと思う
ま、筋金入りのB級ではありますが

《ラストは…》
ラストは大方予想がつくので、もう一捻りあれば嬉しいのだが、とはいってもアクション、サスペンスで職人技を見せるジャック・スターレット監督の見せ方は上手い

まず、車の中にヘビが登場するところは、スターレットの力量発揮ポイントの一つです
パイルD3

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