荒野の狼

月面着陸の荒野の狼のレビュー・感想・評価

月面着陸(2019年製作の映画)
4.0
垂直上昇的、イタリア版『バニシングポイント』。
誰にだって人には向上心というものがある、今日より明日を悪くしようと思って生きている人はひとりもいない。
問うべきは『君たちは「どう(スタイル)」生きるか』ではなく、私は何を「するために(ミッション)」生まれてきたのか、なんである。Grande passo自分のみならず人々もそのとき「歩み」そのものの価値を知る。月は単なるゴールの一つの例え(消失点)にしか過ぎない。
的確で上品なカメラワーク、人間味ある脚本、粗末だが美味そうな料理、物質感溢れるガラクタ、抑揚の効いたユーモア、どのシークエンスにもある体温、大事なものを一つたりともとりこぼしてはいないこんな映画の、どこがB級であろう。ベタな話をどうしたらベタなままで終わらせないか、センスが問われる工夫とアイディア、見せ所、見所はそこなんである。
信じることができれば、証拠なんか要らない。
荒野の狼

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