ヨーテボリ映画祭にて。

優しい視線で温かい雰囲気の映画だったが過酷な背景がある切実な話でもあった。
アフガニスタンで米軍通訳として働いていたドーニャがアメリカに来て不眠症やPTSDに悩み孤独や孤立を克服しようとしながら生活している様子が描かれていた。

フォーチュンクッキーの工場で働き時にはその中の言葉を書く、その行為がアメリカでのより良い生活を求めるドーニャとアフガニスタンの家族を思うことと重なってるようにも見える。

ジェレミー・アレン・ホワイトが口数は少ないが優しい自動車整備士ダニエル役で登場。彼のように先入観や差別なしでフラットに接してくれる人がもっと増えれば社会は少し良くなるんだろうな。

明らかに二人は惹かれあってると思うが、二人とも不器用でぎこちないのが微笑ましい。

ドーニャはそれまで殻を被っていたとか心を閉ざしていたとかそこまでではないものの、彼女のそれまでの過酷な人生がやや影を落としているように感じられた。カウンセラーとの話と屈託のない整備士ダニエルとの出会いが彼女にわずかな光を与えたと思う。
希望が見えた話だった。

主演のアナイタ・ワリ・ザダは撮影6か月前に実際にアフガニスタンからアメリカにやってきた難民だそうで、演技未経験でこれが初演技(監督が上映前コメントで言ってた)。
本人と劇中のドーニャの設定が似ている部分もあるからなのか、すごくナチュラルな演技だった。

コメント欄にメモあり👇

フォーチュンクッキーが欲しくなる映画。

自分に対する疑問、孤独からくる不眠症。異国の地で自分の在り方を見つけようとする主人公が魅力的でもっと見ていたかった。あの終わり方はずるい。シートベルトさせられてる鹿、可愛すぎるだろ。

変わらない日々に残る違和感と、変わらないままでいようとする無意識の抵抗力と、変化などどうってことないと気散らす強さ。