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Fair Play/フェアプレーのmasatのレビュー・感想・評価

Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)
3.0
やはり刺す側と刺される側では、
力関係は永遠に決定されているんだなあ。
オープニングとクライマックスの“トイレ”のシーンにおいて、象徴的に明言している。

男には、敵わない。
サラ・ポーリーもアカデミー脚本賞に輝いた作品で、あくまでも慎ましく言っていた。女性には、男が及びもしない“執着”力がある。そして、一旦決断したら大地に強く根を張る“母性”がある、と。

女性活躍と男の意地、と思わせるサクセスドラマと思いきや、現在の社会的なトレンドを実は肯定していない、なんとも後味の悪い、なかなか見応えがある、期待を裏切る体験をした。

浅はかな作品との酷評も多いだろうが、
このモヤモヤは、計算されている様に思う。

ただ、そのモヤモヤは、作劇上からすると、結果的には女の側に多く感じられた。
それを肯定的に受け取ると、
男には敵わない、けど、驚くべき執着で(ナイフをも振るい、自らが刺す側に翻ってもなお)絶対・・・負けない、のだ。

都市を映す点描含め、カメラが肉感的でシャープだった。
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