スワヒリ亭こゆう

ボブ・マーリー:ONE LOVEのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
1.5
『ボヘミアン・ラプソディ』以降、制作され続けているミュージシャン伝記映画。
とうとうボブ・マーリーまで辿り着きました。
普段、レゲエを聞かない僕でさえ勿論、聞いたことがあるぐらいのスーパースターです。
ジャマイカという国を代表して世界中にレゲエを広めたパイオニアといったイメージを持っています。
映画を観て新たな発見などを期待して本作を観に行ってきました。

冒頭にボブ・マーリーの息子が出てきて家族公認の映画だというのを強調していました。
ハッキリ言って嫌な予感がしました…
申し訳ないけど映画として観た時に家族から非難されるぐらいの映画の方が面白くなると思ったからです。予想通り、家族への配慮からかボブ・マーリーの悪い所は控えめに描かれていました。

僕自身が実際のボブ・マーリーの伝記に触れたのは今回が初めてですが、まるで宣教師の様な宗教的な発言が多くあんまり面白くないなって思いました。
ボブ・マーリーを崇拝している人達は面白いんでしょうけど、僕はそんなに崇拝してないし映画の方が好きです。だから映画の出来栄えを話しています。
あんまり面白くない映画ですね。駄作です。

ボブ・マーリーがスターになっていく様子は何故見せなかったんですか?貧しい国や地域で生まれたミュージシャンのスーパースターはそれなりに悪さもして女癖も悪いみたいな悪いエピソードが面白かったりします。それこそ本作ではマリファナでしたが薬物をやっている描写があるミュージシャンの伝記映画もあります。
ハッキリ言ってボブ・マーリーの悪い部分は見せない様にしたから家族公認になったんでしょうね。
本作で少しだけ触れていましたがリタという妻がいて愛妻家なんだと思ったら他に女を沢山、作ってるのを夫婦喧嘩のシーンで少し触れていました。実際にはボブ・マーリーには他の女の子供もいるみたいですね。
別にそれを僕は悪いと思わないんですよ。それいうエピソードが無いと人間っぽい部分が見えてこない。この映画はハッキリ言ってボブ・マーリーにとってマイナスプロモーションでしょう。
ボブ・マーリーは面白くない奴だって思いましたから。

ボブ・マーリーの成功譚を観たかった。
それと僕が1番観たかったのはボブ・マーリーのコンサートに対立する政党の代表をステージに上げて握手させたっていう超有名なエピソードがある。
何で映画では描かなかったんでしょうか?
僕の記憶違いなのかなって思ったらまさかのエンドロールダイジェスト⁈
町中華に行って店の親父が「餃子はウチやってないんですよ〜」って言うぐらい、それ無いんかい!ですよ。

ボブ・マーリーが好きな人の意見を聞いてみたいです。ハッキリ言って映画好き目線ではクソつまらない映画です。見せたいボブ・マーリー像が全く分からなかった。『EXODUS』っていうアルバムのプロモーションぐらいにしかなってない。それならそのアルバムを聞いている方が良いでしょう。
そもそも何でブラッド・ピットのプランB制作なんでしょうね。
この映画を観て他の人が本作のアンチテーゼでボブ・マーリーの映画を作って欲しいです。