このレビューはネタバレを含みます
かねてから言っているように、キューカンバーサンドイッチの食文化を持つイギリスと､かっぱ巻きの食文化を持つ日本は分かりあえると思っている。
最近、フォローさせていただいている方とのやりとりのなかで、長回しで羅生門形式みたいに視点を変えていく表現を妄想していたのだか、まさにこの作品がそれを成功させているようだ。派手な見せ場はないが終始不穏。死へのピタゴラスイッチとして人気の高い「ファイナルシリーズ(？)」のような､予測できるからこその緊張感。とんでもなくかわいい赤ちゃん！しかしそれすら刹那的であるという残酷な現実！そしてなだれこむように迎える大団円！内容にふさわしい適度な尺！なんだか見ている自分自身が干渉しない好奇心の赴くままに気まぐれについていく対象を変えていく透明人間にでもなった感覚を体験させてもらった！いやいや、面白いよ！
