最後のライブシーンで役者が全員、アイドルにしか見えなくなる。
あまり映画を観ないアイドルファンにもぜひ観てほしい作品。
この映画の良さの一つに、「これから卒業するアイドル」と「すでに卒業したアイドル」を同時に描いていることがあると思う。
アイドルのセカンドキャリアの厳しさに触れつつ、脅かしたり傷を舐め合うのではなく、あくまで次の舞台を踏む/踏もうとする彼女たちはとても美しい。
最後のライブシーンは圧巻。
本物のアイドルの卒業ライブを観ているようで、「スクリーンの中にいたのは女優ではなくアイドルだった」と声を大にして言いたい。
まるで彼女たちを応援するファンだったかのような気持ちで見つめてしまった。
最後のマイクはめっちゃズルい。
あんなのズルい。
アイドルという職業に就いている人も、そうでない人も、まじめに「仕事」をしていたり自分を見つめたことがあるなら、彼女たちみたいな気持ちになったことはあるはず。
自分を蔑んでいるのは自分、踏み切れないのも自分。
そんな自分なのに、誰かからすればそれでも「かっこいい」。
「だろ?」って返せるくらい自分を信じられたら、きっと乗り越えた証拠。
主人公へのファンファーレはどんな音色だったんだろうか。