ジャッキーケン

アントニオ猪木をさがしてのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)
4.3
これは泣いた

アントニオ猪木の功績とインタビューを軸にその影響力を今を担うプロレスラー、お笑い芸人、講談師、名もなき猪木ファンのドラマパートを交えながら描く

個人的にアントニオ猪木はプロレス試合はフルでは見たことなく、モハメドアリ戦と道と名言を齧ったぐらいのにわかの領域にすら踏み込めてない状態

それでも泣けた

猪木の誕生から奴隷の名残が残るブラジルでの農業仕事、プロレスの世界に足を踏み入れ数々の激闘とプロレスの枠を超えた文化的な死闘

モハメドアリ戦の負けたらプロレス界からの追放がかかってるプレッシャーというバックボーンは初めて知ったし試合を見た時はガチすぎてエンタメに欠けると思ってたが命をかけるとはこういうこと。

追い討ちをかけるように巌流島でのマサ齋藤とのレフェリーなし、死ぬまで闘う文字通りのデスマッチはプロレスを超えた何か…

政治家としての猪木はイラクにおける人質開放を成し遂げた功績は凄すぎないか!?
これもっと騒がれても良いしもっと語り継がれるべきだろ!
机の上で討論を述べる政治家にビンタを打ち込むように体でイラクに渡り人質開放を打って出るカッコ良さは日本史の教科書に載せるべき

若者の自殺増加への社会問題をリングで訴えてどんなにどん底に落ちようがそれでも這い上がる猪木が伝えようとする「生きろ」というメッセージは胸が熱くならないはずがない!
生きていれば辛いことにぶち当たるときもあるが元気があればなんでもできる
それを体現する猪木

猪木に魅せられた少年のドラマパート
一幕は純粋に猪木を楽しんだあの頃

二幕は部活のチームメイトを励ます青年
ここは胸打たれた。猪木の名言を言って励ます。「やる前から負けること考えるバカがいるかよ」「バカになれ!」はプロレスを超えた闘魂な名言だし赤の他人のおっちゃんがええんよな

三幕は会社が倒産し家族と離れ離れになった中年のおっちゃんがゴミ処理場で見つけたビデオが猪木の試合シーンで…
これこそ時代を超えた闘魂イズム
闘うとこに猪木あり
闘いの聖書とは猪木のことなのだと思う

猪木に突き動かされた人なら感動せずにはいられない

少なくともおれの心は突き動かされた
闘いこそ朝鮮であり挫けそうになった時は猪木を思い出せ