トムトム

アントニオ猪木をさがしてのトムトムのレビュー・感想・評価

アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)
2.0
子供の頃に最も影響を受けた人物と言えばアントニオ猪木かもしれません。

劇中でも語られていた通り、虚と実の間に立っているかの様な捉えどころの無い、それこそプロレスという物の擬人化の様な強烈なキャラクターでした。

しかしこのドキュメンタリーはアントニオ猪木の虚と実もとらえていませんし、清濁合わせ飲む猪木の魅力の清の部分だけ取り上げた様で個人的には全くアントニオ猪木の魅力を分かっていないのではないかと思ってしまいました。

ドキュメンタリー中の徹子の部屋で猪木も「プロレスをスポーツと言ってほしくない。」と語っていたのにこのドキュメンタリーは猪木をアスリート的に描きすぎの様な気もします。

インタビューだけで構成するのは大変なのでしょうが再現ドラマとか神田伯山の講談とかは観ているこちらのテンションを下げてしまっていました。

再現ドラマ内の少年とほぼ同年代でしたが、あんな風に純真な感じでプロレスは見ていなかったですね。

「プロレスってウソだろ。」
「いや相手の技は避けないけど勝敗は決まってないよ。」
「相手の技を受けきれなくなったら負けだよ。」

みたいな感じでした。
それでも十分純粋ですけれど。

オープニングの猪木の入場シーンのバックショットが最高潮でした。

もっと馬場へのルサンチマン盛り盛りの負の猪木のドキュメンタリーが見たかったですね。

スクリーンで観る猪木問答のシーンは今年観た映画の中で1番笑ってしまいました。
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