宙崎抽太郎

ほかげの宙崎抽太郎のレビュー・感想・評価

ほかげ(2023年製作の映画)
5.0
『ほかげ』塚本晋也

何故、塚本映画で子供が主人公なんだ⁉︎ 怖すぎて何も考えられないと思い、事前情報は何も入れず、肉体を持った強力な悪霊が金属の軋みを上げるがごとき戦後の超局地的映画に巻き込まれた。時代劇、戦争映画、どんなジャンル映画?をやっても、必ず、最初から脱ジャンルして塚本映画にする腕力。毎回、嵐が去って良かったねか、嵐の持続を与えられるが、今回、初めて、ほろっときた。今と対局の時代。だけど地続きの時代。そして原点。思わずメガネを忘れてきてしまったのだが、一番前の席だったので、メガネ要らず。塚本カメラの柔らかな揺れに全身を揺さぶられた。

趣里や森山未來のギアチェンジのストーン!と切り替わる感じが怖い。俳優や役者ではもはやなく、器な感じ。何か暗い闇に穴が通じてしまって、そこから声ならぬ別の魂が噴出する。

宙崎抽太郎
宙崎抽太郎

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