ぴんじょん

ヒッチコックの映画術のぴんじょんのレビュー・感想・評価

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)
4.0
やっぱり映画はスクリーンで見たい。

ヒッチコックは大好きな監督。
作品もほとんど見ているし、トリュフォー・ヒッチコックの『映画術』も読みました。

「お、マニアだね。」と言われそうですが、そんなんじゃなくて単なるファンですね。
テクニックに詳しいわけでもないですし、ただ、「ほおーっ」とうっとりしたり、「ひぃっ」と驚いたりしているだけです。
ヒッチコックのいいところは、本格的映画マニアから、僕みたいな単なる映画好きまで間口広く受け入れてくれるところにあるんじゃないでしょうか。

本作は、ヒッチコック自身が自作を解説するという趣向で作られています。
最初は残されているヒッチコックの音源からAIかなんかで生成した音声なのかなと思っちゃっいましたが、ちゃんと役者さんが当ててるんですね。
熊倉さんがご存命でしたら吹き替えをしていただきたいところです。

映画で語られるヒッチコックのテクニックとしては、ドアから映画の中に入るという手法と、カメラが高い位置にあるというところを面白く感じましたが、あとはそんなにテクニックを感じさせるというものでもありませんでした。
作品自体があまりテクニカルな部分を前面に押し出しているというようなものではないようでした。

そんなことより、ほとんどのヒッチコック作品をビデオで見ていた僕にとっては、スクリーンに映し出されたヒッチコック映画の数々の場面に驚かされました。

とにかく絵が素敵。

「ああ、スクリーンでのリバイバル公開をしてくれないかな。」

かつての映画たちが、いかにスクリーンに映し出されることを計算して作られていたかということを思い知らされました。
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