英雄ナポレオン・ボナパルト（ホアキン・フェニックス）の生涯を描いたスペクタクル・ムービー。
1789年のフランス革命後、ヨーロッパ全土を席巻し、没落していくまでのナポレオンの姿を、妻ジョゼフィーヌ（ヴァネッサ・カービー）の存在が与えた影響と葛藤を交えて映し出す。
ナポレオンが、戦術や法律など、欧米に限らず世界中に及ぼした影響は少なくない。
絶対君主制が崩れたフランスにとって、ナポレオンの存在が絶大であったことは歴史的事実だ。
映画では、ナポレオンを突き動かしたのは、ジョゼフィーヌの存在が大きいように描かれている。
有力者を篭絡する彼女は、終始、単なる放埒な女性では納まらない魔性の女性だ。
ナポレオンは彼女に翻弄されていたのかも知れないが、生涯を通して国を愛し、戦争を愛し、ジョゼフィーヌを愛したことは間違いない。
ナポレオンの成り上がり人生のような映画で、少しは脚色したストーリーがあってもいいのでは思ったが、いつの間にかその世界観に没頭してしまった壮大な作品だ。
