映画館の戦闘シーンは迫力あり、たぶん自宅で観たら魅力半減でスコア3.0かなぁ…。「英雄か悪魔か？」という問に何も答えていない。
NHKの大河ドラマを年末にダイジェスト版として凝縮したかのようなで、仕方ないとはいえだいぶ駆け足感がある。登場人物の誰にも感情移入できぬまま、悪い意味で流れるようにドラマが起こり、こなして次に進んでいく。唯一感情移入できたのはマリーアントワネットくらいかも。
何を考えているか分からないホアキン・フェニックスだから成り立っている映画と思う。
正直ジョゼフィーヌとのパートもダラダラと展開されて面白みもない。もっと端的にでも関係を表せられるだろうに、その分の時間を権力に固執する背景などを観たかったなぁ。そうした部分を排除したとしても、ジョゼフィーヌを愛する理由が今ひとつ伝わって来ず、表面上でしかないのかとも思う。
何故ナポレオンはフランスを、国民をそこまで信じ求めたのか。天才的な戦術は何処から生まれるのか、国民は何故あそこまでナポレオンに熱狂したのか、海外諸国は何故ナポレオンと(フランスを)抵抗して戦争を行ったのか。などなど、知りたいと思っていたことは何も観れず、消化不良。
音楽も映像もいまいちで、臨場感出すためにレンズの水滴をそのままに撮るのは一気に現代に引き戻されるので興醒めだし、オーケストラも部分部分で使うなら良いが、わざとらし過ぎて映画の質を落としているのではないか、と結構ハマらなかった。
戦闘を中心に服装などのビジュアル面だけは手放しで評価できるけども、勿体ない映画でした。
