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ナポレオンのharuのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
4.0
嫁が大好きなナポレオン。

1789年、フランス革命による混乱の最中、数々の戦いで勝利を収め、ついに皇帝となったナポレオン。仕事は絶好調!しかしプライベートでは妻ジョゼフィーヌと複雑すぎる関係にあった。

「グラディエーター」大好きな私としては、今年いちばん楽しみだったかもしれない、リドリー・スコットの気合いたっぷりな大作「ナポレオン」です。しかもホアキン・フェニックス主演!結果、期待通りのおもしろさで、劇場で見る価値アリアリでした!
まず多くの方が言っているように、「バリー・リンドン」を彷彿とさせる戦闘シーン。ナポレオンと言えば戦争!つまり戦いこそ最大の見せ場ですが、さすがリドリー・スコット!トゥーロンこそ緊張でガチガチだったナポレオンも、ワーテルローでは落ち着きまくりで合図がこなれてるぅ!と、終盤ではすっかりプロフェッショナルに。彼は自ら兵士に声をかけ、パンを分け与え、戦いの前には気合いを注入し、兵士の士気を高める。これだけで指揮官として大変優秀であることが垣間見えます。そう、垣間しか見えない…敵味方問わず、登場する方々がさりげなくナポレオンを褒め称える言葉を発して彼の凄さを漂わせるものの、私のような知識ゼロ人間には「察して」はあまりにもレベルが高い…!最初こそ自分の勉強不足を悔いましたが、そもそも監督は、彼の偉大なる功績を讃えるのではなく、彼のちょっと残念なところこそ人間らしくて良いよね!というスタンスで本作を作ったようで。つまり本作の軸は「かっこいいナポレオン」ではなく、「嫁が大好きでたまらない残念なナポレオン」。つまり妻への赤裸々なラブレターを世界に発信される恥ずかしいナポレオンなのです。
そんな英雄に愛される妻ジョゼフィーヌ。最近ヴァネッサ・カービーにハマっている私としては、本作も最高!特に衣装が大変素晴らしく、彼女の魅力が最大限に引き出され、ナポレオンが夢中になるのも納得の着こなし。世界を支配したいナポレオンは、当然嫁も支配したいわけなのですが、正直夫がいなくても余裕で一人で生きていけるジョゼフィーヌは、夫の留守中に浮気するような自由人。しかし別れたくはないらしく、時には泣いて夫に縋ったりもする。あーなんかめっちゃモテそう。
ということで二人のドロドロ愛憎劇は楽しめましたが、やっぱり一つ一つのシーンをちゃんと理解するにはお勉強が必要でした。あとで調べて「そーゆーことか!!」となることが多かったので、またチャレンジしたいです。
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