ゆかちん

ナポレオンのゆかちんのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
2.9
「ナポレオンの栄枯盛衰ダイジェスト+ジョセフィーヌへの愛」という感じやった。
歴史ネタとか、ホンマはこうなんちゃうん?みたいなのが入ってて面白かった笑。

美化しない拗れたナポレオンはホアキン・フェニックスしか無理やなーて。
絵画と雰囲気が遠くないのもいい。

世界史好きとしては、なんかナポレオンのところのダイジェスト感。
ロベスピエール、恐怖政治、戴冠式、トゥーロンの戦い、アウステルリッツの戦い、ワーテルローの戦い…などのワードは懐かしかった。

ロベスピエールで名前聞いた瞬間、懐っ!おったおった習った習った!てなったw


18世紀末、革命の混乱に揺れるフランス。若き軍人ナポレオン(ホアキン・フェニックス)は目覚ましい活躍を見せ、軍の総司令官に任命される。
ナポレオンは夫を亡くした女性ジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)と恋に落ち結婚するが、ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、いつしか夫婦関係は奇妙にねじ曲がっていく。
その一方で英雄としてのナポレオンは快進撃を続け、クーデターを成功させて第一統領に就任、そしてついにフランス帝国の皇帝にまで上り詰めるーーー。




マリー・アントワネットの断首式とか、首斬れちゃうとこガッツリ見せるんやな。

ナポレオンは戦う時に動揺してたり息切れたりしてて、モタモタしたりして普通の人て感じ。むしろ情けなさすらあるときも。
「目覚ましい活躍」「凄い勢いで出世」というのは、間違いではないんやろうけど、別にヒーローみたいに颯爽とカッコよくやっていたわけではないんやろな〜みたいなふうに見せる。
ただ、戦の読み方とか戦略家として強いってことなのかな。
モタモタしてたのとは違い、指示を出し、その読みがうまく合って、見事に勝っていくところは、なるほどなと。
普通なら、この戦略家としての面をカッコよく描くのだろうけど、今作はそうでもない。

史実を改変しているかもしらんけど、こういうツッコミどころというか滑稽というか、「あれw」みたいなところがある方がリアルに感じられた。

そういうの面白かったな〜。
人間味があって、ええやん。


ジョセフィーヌに対して屈折した拗れた愛。
不器用すぎる態度でまあまあ気持ち悪いときもw



モタモタしたり、普通に疲れてたり。
やれやれ、みたいな顔したり。
ナポレオンも普通のサラリーマンみたいにこういう顔するとこあったんかなて笑。

エジプトでミイラ見る時の台を用意して覗くとか、触ってみたらグラッとするとか、絶妙なマのとことか笑った。
あと、戴冠式のとき、絵師が必死にデッサン描いてるとこ笑ってもた。

世界史とかで学ぶ時、「男前な絵画が有名だけど、ほんとは小さくてカッコよくなかったのでは説」があるというのはお約束。
そういうのをなぞってて面白い。

そういう英雄英雄せず、普通の人として表してるのは興味深い。妙な親しみやすさがでるというか。
フランスの人たちはこのナポレオン像をどう思うのだろう笑。

でも、彼の思考というか、どう立ち回るのかみたいなのは興味深い見せ方。


戦争のシーンは壮大。
わ〜って闘うのも、大砲どっかんどっかんも、氷の上で敵兵を落としていく映像も。
人の数めちゃ多い。
ほんまの人数なんかな。
隊列組んで移動したりとか、ゲームみたい。
ここは力を入れたのかな〜。


戦略家として優秀なナポレオンが読み間違えたのはロシア遠征。
自分たちの大都市を焼いてしまうとか、ロシア人ってやっぱそういう感じなんやなと改めて。
第二次世界大戦のとき、ナチスに勝つために自分たちの兵を犠牲にするのはいとわなかったとか。
今の侵攻もそう。逃げ出すロシア兵は撃ち殺すんやもんな。
国のためなら自分たちの民も街も簡単に犠牲にしてしまうんやなと。

まあ、戦争ってそういうもんなんやろけど。
日本も捕虜になるなら自爆せよ言うくらいやし。
まあでも、ロシアのそういう図太さを感じた。


ヴァネッサ・カービー、ノってますなぁ。
今、重要なヒロイン?役をどんどん取ってる感じ。
しかし、めっちゃハスキーボイスやってんなと改めて笑。
最後、ナポレオンが来るのを待ちながら病気になってしまった時は切なかったな。


割とポンポン飛んでいくナポレオン史。
その筋の中でジョセフィーヌとの関係が絡む。

ジョセフィーヌてあんな成り上がりなタイプで奔放やったんや。

そして、うーん…お世継ぎ問題かぁ。
なんか、時代も時代やし、皇帝ともなると、そういうもんなんやと言われたらそうなんかもやけど、なんか…勝手よなぁ。

離婚の時にジョセフィーヌが読まされた文、残酷すぎた。


戦争のところとかは気合い入れてたんやろけど、割とポンポンといったので、ナポレオン史としては割とアッサリな気がした。

自分の戦いで失ったフランス兵の命について何も感じてなさそうなのがまたw

そこより、ジョセフィーヌとのことや、ナポレオン自身の内面とかを探るような作品として作ったのかなぁ。


ホアキン・フェニックスは濃ゆいなぁ。



そうそう。
そういえば。

高校生のとき、ナポレオンが好きなクラスメイトがいた。
『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』の絵の下敷きもってて。
ナポ様。

ウィーンで『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』の絵を見た時(同じ絵かはわからんけど、このデザインのナポレオンの絵はウィーンにもあった)と、今回の映画で、その子のこと思い出した。
ゆかちん

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