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ナポレオンのEyesworthのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
4.5
何か面白い映画はないかとふと上映スケジュールを眺めていたら、名匠リドリー・スコット監督の名前が目に入ったので、久しぶりに映画館に行ってこの映画を見た。この作品は大きなスクリーンで見た方が、8000人ものエキストラを要したという戦争シーンに非常に臨場感があって、エキサイティングな映像体験ができたので結果的に良かったと思う。

主演ホアキン・フェニックスがフランスの国民的英雄ナポレオン・ボナパルトの波乱に満ちた激動の生涯を演じた。ナポレオンが生涯で率いた戦いはこの作中でも語られるロシア遠征やワーテルローなど数は61にも及び、1793〜1815年の間で300万人以上が戦死している。「英雄」と呼ばれる一方で、その残虐性から「悪魔」と恐れられていた男でもある。その政治人としての威厳に満ちた顔と戦争人としての残酷極まりない顔の二面性が遺憾無く描かれており、本国フランスではなく、非当事者のアメリカの視点で作られた作品だからこそ距離感が丁度よく楽しく見ることができたのではないかと思う。登場するフランス人やオーストリア人、ロシア人などが皆英語を使っているのでその辺の違和感はあるかもしれないが、この映画のスポットは常にナポレオンが愛したジョセフィーヌという女性にもフォーカスされているので、彼女との関係をベースにナポレオンの感情や行動にリズムが生じる過程が非常に面白いと思った。
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