歴史的な英雄としてというよりも、ジョゼフィーヌへの執着心を軸に小物感を描きたいというこだわり。戦いのシーンは圧巻だけど、尺が長い割に薄い感じがするのは、この描き方だとドラマシリーズの方が向いているのかもしれない。
ナポレオン・ボナパルトが英語で話すという違和感は、日本のオーディエンスだとあまり気にならないが、当然フランス人は面白く思っていない。ある種のなんちゃらウォッシングに相当するのかもしれない。ただ一方で、これがフィルムメイキングの自由さなのではないかとも。
映画の世界なら、フランス人がフランス語で徳川家康を演じても別に良いわけで。勿論外見の忠実さは保てないし、映像にしたら違和感はあるのかもしれないけど。でも、それを普通にやっているのが演劇の世界なのよね。演劇って、すごいよね。
