愛の光と影
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すいません、カントク。コレはコントですか?
ジョセフィーヌの後ろでお犬さまのように真顔かつ無表情でワフワフとハゲシク腰を振るナポレオン。ま、子作りに励むのは良い事だが、全編に漂うなんとも言えないヘタレな空気感。この、まろ〜んとした妙な間が真面目なお笑いの味わいを醸し出す。
いや、マジもんと思ったらコレかよ。狙ってるんですか、巨匠リドリースコットよ!革新的な味変なら、ある意味凄すぎる。
なんつっても画は、戦闘でお互い切り刻み、デモる民衆に大砲喰らわしたりして千切れ飛び普通にグロ。コント面との落差がなんとも…。
さらに無表情に腰を振るのが、あのホアキンって…オイオイ。自由すぎるだろ。
って、思って見ていたが、後半に行くにつれてガチンコ路線へと回帰。たけし並みに右横にクビを振りつつ倒れるナポレオンの生涯を、見事に描き切ったのです。あゝ、愛は性なる…違う、生なる、…コレも違う、聖なるモノなのねー。
ってか、面白かったよー、長尺やけど全然飽きんかったもん。この大谷のスプリット並みの変化球がカントクの狙いなら見事にヤラレました。はじめは夜の期待にギンギンのバットに全く当たらんかったモン。カスリも、せんかったしー。
ヤリ方は千差万別。
ルールや定石、王道なんて無い。
さすが巨匠です。
いつだって答えは 遥か彼方にある
それが映画なのですねぇ。
愛の描き方は、人それぞれ。
どちらかが旅立つまで添い遂げることも、一瞬の炎でその瞬間を焼き尽くすことも。ただ、アイのカタチが残らないのは厳しいね。
子育て大変だったけど、遺伝子を残せたことを僥倖と思わせてくれた作品でした。カントク、グッジョブ、サンキューなー。
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