満足！面白かった。
ナポレオンの人生を、①稀代の天才軍人としての栄光と失墜、②妻ジョセフィーヌとの愛憎劇、の2面から描く、みたいな話だった。
①の方は、合戦シーンや戴冠式など、とにかく映像がものすごい重厚感と迫力で見応えがあった。
これだけで十分に映画館で見る価値があった。
それぞれの戦いに勝ち負けのロジックがしっかりあるのも良かった。
映画内で背景の説明はあんまりないが、小学館の「学習まんが ナポレオン」を読んでおいたおかげもあってか、混乱せずに済んだ。
ほぼほぼ劇中の出来事がすべてカバーされてて、よくできた要約だったことがわかった。
②の方も興味深かった。
いちおうお互い愛し合ってはいるのに、ナポレオンの愛情があまりに自己中心的なのと、彼の立場の問題もあって、ものすごく歪な共依存の関係になっていくのが面白いと思った。
そんなわけで全体として面白かったんだけど、どこか淡々としていて盛り上がりきれなかったようにも感じるのは、2つの側面が作用しあって生まれるドラマみたいなものがなかったせいだと思う。
エジプトから帰る件とか、後継者問題の件あたりはそういう意味で盛り上がりそうなのに、良くも悪くもそのときそのときのナポレオンの中の"優先順位"が明確すぎて、葛藤らしい葛藤がない。
結果、政治◦戦争、ジョセフィーヌ、政治◦戦争、ジョセフィーヌ、と焦点が変わるたびにいちいち話が中断されてる感じがした。
これだと1本の映画である意味があまりないんじゃないか、と思った。
