2023年最後に映画館で観た本作。見納めに相応しくかなり見応えがあり、面白かった。
序盤から戦場のシーンの迫力には度肝を抜かれる。さすがリドリー・スコット。現代とはまた違う血生臭さと容赦のなさを見せつけられる。
しかし終盤のワーテルローの戦いは全てが噛み合わず、空振りが虚しく映る。今までのナポレオンの容赦のない作戦や数多の戦争の報いのように思えた。台詞の通り英国軍は鉄壁だった。（あの方陣の固さ）
大砲や突撃の合図をする時の無表情で気怠そうな表情のナポレオン。しかし妻ジョセフィーヌとの日常では些細なことで声を荒げ、嫉妬し時に跪く。
不器用を通り越して身勝手で…それでも彼なりにジョセフィーヌを愛し続けた人生。英雄というよりもその姿は時に哀しくちっぽけでとても人間臭い。
途中からジョセフィーヌが気の毒すぎたけど、歪ながらも二人には最後まで通じ合うものがあった。それが忘れられない。
