映像は凄いのに…なんかもったいない…。
Apple TV+の超巨大資本 × 合戦描写で名高いリドリー・スコット御大、ということで楽しみにしていた作品でした。
ただ、率直な感想としては…あんま面白くない…。ホアキン・フェニックス主演なのでダウナーなナポレオンは予想していましたが、ジョゼフィーヌとの色恋メインか〜というのが非常に残念でした…。映像の豪華さが絶妙な空気の暗さに塗りつぶされて、あまり生きない。重厚さとも違う、暗さ。
合戦描写は途中まではイマイチでしたが、最後のワーテルローの戦いは流石の規模感の大きさで満足しました。ですが、せっかくなら勝ち戦を詳細に描いてほしかった…!あとは「方陣を突破できません!」は流石に嘘だろとなり笑いました。もう少し何かなかったのか。
ジョゼフィーヌとの色恋がメインだったわけですが、個人的にジョゼフィーヌがナポレオンより歳上だったのが史実でかなり印象の強いポイントだったので、配役が思い切り歳下になっていて残念でした。その後に歳下のルイーズに再婚した瞬間に落ち目になったのも物語を感じていましたし。
2人の関係性も史実からのイメージと大きく異なり、また正直なところ単純にロマンスとしても全然おもしろくありませんでした。こういった倒錯した恋愛…みたいな切り口を描くなら、それこそフランス制作で観てみたい。
結局ナポレオンの凄さが全然伝わってこない上に最後イギリスが勝って終わるので、親イギリス映画と批判されるのはめちゃくちゃわかる…という感じでした笑。まぁリドスコ御大なので仕方ないのかな〜。
本作はフランス語で作られないのはもはや諦めていました。そのためハウス・オブ・グッチや最後の決闘裁判のような気が散りはなかったんですが、それ以外の部分も全てになんか古臭いな〜と感じてしまうのは、もう私はリドスコ御大が無理ということかもしれません。
観終わって結局「次ナポレオンをやるならNetflixフランスに作ってほしいな〜」という感想を抱いてしまいました。西部戦線みたいな。やはり、もう「歴史物を本国以外が制作しても良いものが出来ないな〜」という気持ちが先に来てしまいますね。