さすらい農場

浪人街 RONINGAIのさすらい農場のレビュー・感想・評価

浪人街 RONINGAI(1990年製作の映画)
5.0
〈ろくでなしとは、甘く見たな…〉
雑木林に光が射し、朝靄の中から現れる
大量の刀を腰に束ねた
ざんばら髪の異形のシルエット
恋人が公開処刑されようとする直前
対する敵は悪党旗本120人
ラスト17分、日本映画史に残る大殺陣の幕開けにして
この物語に[初めて]ヒーローが誕生するシーンに鳥肌が立つ。

学者くずれの源内(原田芳雄)
試し切り役の権兵衛(石橋蓮司)
鳥屋の孫左衛門(田中邦衛)
殴られ屋の赤牛(勝新太郎):遺作

ドロ臭く人間臭すぎる4匹の浪人は格好良さのカケラも無いTHEリアル時代劇
しかし、彼らが見苦しくブザマであるほど、ラストの鬼気迫る[爆発]が圧倒的なカタルシスを生む。
人間の残酷さ、滑稽さ、弱さ、優しさ
[権力]や[数]の暴力に立ち向かう[一個の勇気]が、武士道の根幹である[死生観]であり[誠の道]を感じさせてくれる。
助太刀に馳せ参じる浪人達にアドレナリン倍増!
若い頃の自分に力を与えてくれた映画です。
我が青春の[浪人街]。映画は思い出と共にある🤟