Kumonohate

青竜の洞窟のKumonohateのレビュー・感想・評価

青竜の洞窟(1956年製作の映画)
3.3
「月光仮面」の後番組として有名な「豹(ジャガー)の眼」、本作はそのテレビシリーズに先立つこと3年前、1956年に公開された映画版。前後編になっていて前編が「豹の眼」で後編が「青竜の洞窟」。

かつてヒマラヤ山中に栄えた黄金の国イランゴル(国全体が金鉱の上にある!首都の名前はラサ!)は、バラモンの妖術を操る大悪人・豹(着ぐるみではなく生身の俳優が演じるがライオン丸に似ている)によって滅ぼされてしまう。財宝の隠し場所を記した指輪(折りたたんで隠されていた地図はまるで子供の落書き)を巡り(国じゅう足元が金鉱なのにその上なんで隠し財宝が必要なのかよくわからないが)、イランゴルの姫君(王国の人々はアラビアンナイトっぽい衣装なのにこのお姫様はどうしたわけかチャイナ服)、姫君を守り続けてきた忠臣で少林寺拳法の使い手(ピーナッツをピストルの弾丸の如く指ではじき飛ばすことが出来てそれを少林寺拳法と称している)の爺や(名前は陳さんだがイランゴル王国の民族構成はどうなっているのだろう)、柔道の使い手(相手を投げ飛ばす技は鮮やかだが敵も受け身が上手なのかちっとも痛そうじゃない)である正義の青年、少林寺拳法の達人(1ミリも相手に触れず「えい!」と手を上げただけで敵が吹っ飛ぶので拳法というよりはむしろ魔術)で黒マントの正義の味方(演じるはもとオリンピック男子競泳メダリストにして和製ターザンことブルーバ!)、死者を蘇らせる能力を持つアイヌの老人(微妙な表情を浮かべ四六時中祈り踊っている巫女みたいな女性を従えているが彼女の祈祷の目的は最後まで不明)らによる争いが繰り広げられる。そしていよいよクライマックス。3日間笑い転げた挙げ句最後には死んでしまうという世にも恐ろしい「笑死薬」をふりかけられた姫君が、ケラケラケラと高笑いし続ける中、<バラモンの妖術 vs 柔道&少林寺拳法(というより魔術)連合軍>の戦いの火蓋が切って落とされる!
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