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続 戦車闘争 [戦争]を伝え続けるということのyadokariのレビュー・感想・評価

4.1
八月は戦争月間と言われるが、それを享受するのはそういう意識を持った人だけで、NHKも深夜にそういう放送をアリバイ工作のように放送するけど、夏休みはやっぱジブリの映画でも見て楽しみたいというのがほとんどの人ではないだろうか?

こういう戦争特集がミニシアターで行われても興味あって見るのは高齢者ばかりとなっていくような気がする。そして世界は歴史の隠蔽や改編が行われていく。日本の国道にベトナム戦争で修理された戦車が走っていたなんて知りようもなかった。またそうした戦車を止めるデモが日本国内で行われていたなんて。それは50年も前の話なのだが。

ベトナム戦争で修理された戦車が日本から出発するのをデモによって止めたというドキュメンタリー映画『戦車闘争』の続編。当時はそういうデモが当たり前に行われ市民が参加していた。今はデモが悪だと思わされている。ただ日本の経済成長が朝鮮戦争とベトナム戦争のお陰だったということを我々は知らない。例えば経済優先政策によって良い戦争もあると思わされアメリカ軍に戦争協力する。そのお陰で日本は経済発展をするのだが、そのことによって戦争に巻き込まれているのは事実である。そのための米軍の基地があり、高い武器を買わされて、それを使わないのはけしからんという話になる。

例えば毎年のようにNHKでは戦争特集が組まれるが主に深夜放送で、忙しい人が見る時間帯でもなく、それがメディアによる戦争なんて番組なのは、アリバイ作りのためにやっているとしか思えない。朝日新聞の戦争協力に加担したことは詳しくやるのだけど、自分のところはそういう戦時のテープが見つかったと言うのだ。隠蔽していたんだろう。そう都合よく見つかるのだろうか?

こういう映画も公開されてはいるが情報は一部の人にしか伝わらない。けっこうそういう情報を持っていると思っていても前作の『戦車闘争』という映画は知らなかった。そして、日本の国道を戦車が走っていて、市民がその戦車をデモで止めたなんて。

経済優先で良い戦争(仕方がない戦争)になっていく。例えばウクラナイナのこともロシアが攻めてきたから戦争は仕方がないものだという一般的な報道がなされる。被害者のことなど想像できない国になってしまった。他者ということが想像できないからみんな同じ考えがいいと思わされている。戦時教育と一緒なわけだった。戦争を知る世代が次々に亡くなっていくので都合よく権力側は歴史を改編していく。
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