ダイゴロウ

メーヌ・オセアン 4Kレストアのダイゴロウのレビュー・感想・評価

4.1
映画館にて鑑賞。
パリ発の特別列車「メーヌ・オセアン号」にてブラジル人ダンサーのデジャニラと検札係二人のひと悶着があり、たまたま通りがかった弁護士の女性に助けられる。
そのまま、誘われるがままに漁師の裁判に立ち会い、被告人の漁師とも知り合う。

こうした行きずり的な出会いから、漁師の島で共に週末を過ごすまでに関係が発展するフランス映画らしいフレンドリーさが素敵であり、憧れてしまう部分があった。(国籍や人種、言語の壁などに囚われず、"良い女"として歓待する姿勢が、ある種気持ち良い作品でもある。)

なかなか喜劇的な作品でもあり、裁判での弁護の内容など、シュールで笑える箇所も多い。
島での展開も含め、今後の展開が予想できない自由な楽しさもあって、終始引き込まれる作品だった。
魅力的な登場人物たちと、少し大変だけど素敵な週末を過ごしたような気分にさせられた。

最終盤の検札長の役人らしい「仕事行かなくては!」精神からの強引に仕事へ向かう長尺展開が、作品の中で異質な雰囲気をまとっていた印象があったが、狙いはなんだったのだろうか。(皮肉めいたものを感じなくもないし、人々の協力が温かい展開でもあった。)
検札長のことも好きだった(興行主以外、好かない人物はいなかった。)ので、最後車が拾えたことに一安心。