開明獣

バルドー/ゴダール 2Kレストアの開明獣のレビュー・感想・評価

2.0
「パパラツィ」同様、ゴダールの「軽蔑」の撮影風景を追いかけたドキュメンタリー。ここではロジェのゴダール論が聞ける。

風光明媚な観光地、カプリ島の撮影で、いやでも人はBB観たさに群がってくる。ロジェは、ゴダールは、この作品をバルドーを撮るための作品だと言う。群がる観光客やパパラツィは絶好の宣伝効果だ。ゴダールはアンチ商業主義のはずなのに、一体どうしてしまったんだ、と皮肉っているようだ。

果たしてそうだろうか?

モラヴィアの原作を読めば分かるが、舞台はカプリ島なので、選択肢としては、そこが一番妥当である。他にするとしても、有名リゾートでなければ、原作の妙味は活きてこない。

そして、これはバルドーを撮るための作品なのだろうか?ロジェはどうも原作を読んでないし、ゴダールが当時の妻のカリーナとの関係が本作に影を及ぼしているとも思わなかったようだ。

同世代の同業を撮ったドキュメンタリーとして、資料的な価値は高いとはいえ、ロジェのゴダール感には、どうもなにかバイアスを感じずにはいられない、モヤっとな作品💦
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