幽斎

ロスト・マインドの幽斎のレビュー・感想・評価

ロスト・マインド(2022年製作の映画)
3.0
C級スリラーをレビューする、Scavenger第44界。原題「A Broken Mother」壊れた母親。邦題「Lost Mind」の方が気か利いてる(笑)。AmazonPrimeで0円鑑賞

アマゾンの表記は「2023」、作品は2022年製作とアマプラ謎映画では超新作の部類。と言ってもTV-14ムービーなので初めからエロもグロもナッシング。プライムタイムに放送された分、低予算インディーズの貧祖感は無い。制作が何時ものカナダではなく純アメリカ産だが、発注が火曜サスペンスの帝王「Reelone」白人女性に特化した番組作りでLGBTQも完全スルーの白人女性アッパー・ミドル御用達なのでお察し下さい。

Filmarksがアマゾンからの情報提供をガン無視する決意を固めたのか、あらすじの説明も独自展開。日本の配給はスカベンジャー御用達トランスワールドアソシエイツだが、此の作品に関しては珍しくAmazonが正しい。コピペすると人は愛のせいで正気を失う。育児不安に苛まれる新米ママを狙う戦慄のサイコ・サスペンス!。だそうです。

安定と絶望のJohn Murlowski監督。レビュー済「マザーズ 禁断の秘密」「ザ・テスト 護身術」「ラストチャンス 救出」何が良いと言う訳では無いが、Reelone御用達だけに、スマホを弄りながら暇潰しに見るには丁度良い湯加減のサスペンス。犯人と動機は序盤で分かる親切設計。面白いのはアメリカには船越英一郎、片平なぎさの様なサスペンスの帝王的な俳優は少ない。ソレだけ映画出演が叶わないテレビ俳優が雨後の筍の様に居るのだ。

プロットは日米の奥様方が大好きな「嫁と姑」。需要と供給と言う意味では、スルメの様に味わい深いのかもしれないが、独身アラサーの私から見ればソッチの方が恐怖でしかない(笑)。アメリカの場合は基本的に大学生に成れば女性でも独立するので、基本的に親との同居は無い。アメリカ映画でそんなシーンは見た事が少ない筈です。その反動で電話はガンガン掛ける、アポなしで家に押し掛ける。夫から見れば何方に味方すれば良いのか。

もう一つのプロットは「誰の子問題」。嫁と姑がラーメンならコッチはカレーって位、定番メニュー。親権の奪い合いはドロドロのグチャグチャのテンプレですが、子供が絡むとフェイクと知りながら、でも何となく先行きが心配に為るのは分ります。映画の世界ではネコパンチ並みの手法でも、テレビドラマなら那須川天心のキック力は有る。外野から見れば女同士の激しい罵り合いは見てて飽きない(笑)。

特に破綻する事なく粛々と事件は解決するが、気に為ったのは、日本の日産に巻き添えを喰らって轢かれるシーン。全く人と車が接触してないが、気の性かな?。私は此のシーンが引っ掛かって本題に乗り遅れたが「心臓移植」と言う隠されたレトリックで、些かのサプライズは有るので、流石はプライム・タイムと妙に納得(笑)。

TV放送は「Stolen in Her Sleep」このタイトルがしっくりくるので、暇潰しに為るかも。
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