【“王制”ボリウットンデモアクション】
先日帰国しました。コレは海外にいた時、時間ができNetflix開き、見られた一本。英語字幕には置いて行かれたものの…画だけでも殆どわかるのは流石、大衆向けビッグ・ラドゥ・ムービー!
昨年のインド全国大ヒット商品で、“キング”シャールク完全復活作とのこと。私はディーピカちゃん不足を補うため、見たワケですが。
タイトルは兵士、軍人の意味で、紛争が絶えないインドでは定番のジャンルですね。
スターシステムで一人二役、復讐劇、世直し…等々揃った定食ですが、女子刑務所が要となるのが持ち味か。シャールクによると、本作のテーマは“女性のエンパワーメント”だそう…えぇ゙?
だって、結局はシャールクオレ様映画だよコレ。せっかくサニャー・マルホートラ等、主演もする善き女優さんらが脇を固めているのに…。ちょっと引っ込めシャー。これは“王制”の欠点でしょう。
同じアトリ監督作では『ビギル』を見ました。アチラでは主演スターのヴィジャイが一時後ろに下がり、女性チームの見せ場を設けていたのにそれがない。タミルとボリウッドの違いか、“王制”の力が強すぎるのか…。私はコチラを時代遅れと感じましたが。
ナヤンターラさんも魅力的ですが、こういうタフな警官役は見慣れちゃいました。
お目当てのディーピカちゃんは、特別出演扱いの第二ヒロインでしたが、第一ナヤンターラより鮮烈!いい役ですが、女性搾取を自力で解決できないのが歯がゆいですね。
とはいえ、彼女のアイテムナンバーは作りも際立っていた。“Faraatta”なんて、なんちゅー惚れ方入り方…笑っちゃいますが、見世物と割り切っていたから一番美味しかった!
https://youtu.be/RpC85RO0okA?si=8C3xGGdzI__xKzU1
展開のトンデモぶりは、『PATHAAN/パターン』と似たモンか。こちらの方が“世直し”入る分、より大衆にアピールできて、売れたのかもしれない。
が、インドの社会悪をカタログ的には学べても、子供騙しだよね。“留飲を下げる”という現実逃避が、映画にできるせいぜいだとはわかるけどさ。
あまりにヒドくて、祈っても変わらないのに、神に祈るしかないのが現実でしょう。そこに、スターを神になぞらえる映画のシステムが一役買っている。
大衆の神に、まさに“選挙演説”なんかもやらせているが、インド映画の説教クライマックスって、まだ有功だったんだね。
とはいえ、インドの“投票機”にはへえー、でした。知らなくて始め、ピアニカかと思ったよ!🤣
あ、アクションは全般、よかったけれど、途中の“エクスペンダブルズ”アクションは特に、老いた鮮度があって、シャールクよりもカッコよかった!
『PATHAAN/パターン』がウケたのなら、こちらも劇場公開すればいいのに。いわゆる正月映画に丁度いいと思います!
そんなこんな、点数付けたものの、日本語字幕付で見たら上下するかも。映像のハッタリにカナリ、騙されたので!😁
<2024.2.9記>