爆裂BOX

恐怖のレストランの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

恐怖のレストラン(1973年製作の映画)
3.2
夫婦がドライブの途中で立ち寄ったアリゾナの砂漠にあるレストラン。妻がトイレに席を立った間に夫が姿を消してしまう。店主が怪しいと睨んだ妻は保安官に通報するが…というストーリー。
リチャード・マシスン原作で脚色も務めたTV映画です。
駆けつけた保安官に店内を調べてもらうも、まるで夫の姿が見つからず、夫に逃げられたのではないかと疑われる妻は、店主らの動向を探りながら必死で夫の行方を探し続けるという内容です。「バルカン超特急」や「フライトプラン」のような所謂「消えた旅行者」物ですね。
冒頭から主人公夫婦が寄り道して時間喰ったとかで結構揉めてるので、後に旦那に逃げられたという疑いにちょっと説得力を持たせるような展開ですね。
その後、砂漠に立つ一軒のレストランに立ち寄るも店員二人がかなり不愛想で態度悪いですが、夫の方も結構喧嘩腰で行くのでここは何かリアルな嫌~な空気が出ていました。主人公である奥さんの気まずそうないたたまれそうな感じも妙にリアル。
トイレから戻ったら夫の姿が消えており、そこから主人公は夫の行方を捜しますが、基本的にレストランと隣に立つモーテルを行き来するだけの限られたシュチエーションで展開するので男子トイレ探ったりと同じような事繰り返すことになっちゃうのはしょうがないのかな。レストランの店主二人とモーテルの女主人がしらきってるだけではあるんですが、主人公の味わう不安感と苛立ち感じられて、地味ながらサスペンスフルに進んでいきます。店員を演じたロス・マーティンの不愛想でイライラした演技と、ネッド・ビューティーの飄々としててでも腹の底が見えない感じも良いですね。こっちの方が立場的には上なんだろうなと言動から感じさせる所も良いです。
ただ、後半になって真相が明らかになると普通の犯罪物になって失速していきますね。保安官でも容赦なく銃撃する犯人は中々凶悪だけど、かなりアッサリ決着ついちゃいます。ラストも特に捻りなく終わりましたね。
本作の実質的なリメイクであるジョナサン・モストウの「ブレーキ・ダウン」は場所を何度か移動したり、早めに真相明らかにした後はアクションで押したりと観客を飽きさせない様に工夫凝らしていて本作の上位互換という感じですね。
今見ると動きも少なく地味な作品ではありますね。この手のサスペンス好きな人ならまあまあ楽しめるかな?