ノラネコの呑んで観るシネマ

ルー、パリで生まれた猫のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)
3.0
パリの屋根裏で生まれた仔猫ルーと、飼い主の少女クレムの物語。
映画の前半は基本的に少女と仔猫が遊んでるだけで、ひたすら可愛い。尊い。
だが後半になると、なぜか「あらいぐまラスカル」みたいな話しになってゆくんだな。
猫は何百世代にも渡って家畜化された動物で、野生動物のアライグマとは違う。
避妊手術もしてないみたいだったし、これ今では生態系保全の観点からも、世界的にマズイと思われてる物語展開のはずだが、フランスでは違うのだろうか。
「動物は自然の中で生きるのが一番でしょ!」て言う、作者の偏った思想を感じる。
前半の可愛さは、全ての猫映画の中でもトップクラスなのだが、猫を飼いたがってる子供たちに間違ったメッセージを伝えてしまいそうなので、残念ながら勧められない。
そもそも、上位捕食者がウヨウヨしてるあの森、危険過ぎだろ。
ぶっちゃけ、一年持たないと思う。
野生動物ではない猫を、野生に帰すことは出来ないし、してはいけない。
それは「捨てる」と同じことで、この映画のシチュエーションの場合、両方保護するのが正しいやり方だろう。