アップリンク吉祥寺
2023年劇場鑑賞 87本
(2023年 通算 91本目)
制作はテレビマンユニオン
2023年春の国会で放送法の解釈変更に政府が総務省に対して政治的圧力をかけたのではと追及した
小西洋之VS高市早苗のバトルは覚えていますか?
この問題を軸に追い小西氏と田原総一郎とのインタビューなどで構成されたドキュメンタリー
(本当は高市氏もインタビューに答えたら良いがまぁきっと都合が悪いのでしょう)
ナレーションは学生の女の子(監督の娘さんだそうです)が自ら出演し、字幕などを駆使し誰もが分かりやすいように構成されています。女の子の演出とかわざとらしいのではと一瞬思ってしまいましたがこれは若い世代にもわかってほしい!いかに広い世代の人に伝えるか、今のままではまずいよと言う制作陣の危機感も伝わります
で、先に放送法とはなんぞや?
放送法とは日本が戦時中に政権が放送局を支配し自分達にの都合のいいことだけを伝え国民に真実を伝えなかったこの反省を踏まえて作られた法律で
「放送とは何人からも干渉され、又は規律されることがない」と明記されている
それを2015〜16年当時の安倍首相の補佐官だった磯崎陽輔が
この法律の「政治的に公平であること」という一文を
政権批判する番組に対して
「1つのテレビ番組だけで政治の公平性を判断し放送局の電波を止めることができる」
と解釈を捻じ曲げてしまった
これを当時の安倍首相が追認して高市氏が公に発表する
これをきっかけに「サンデーモーニング」の岸井成格氏「報道ステーション」の古館一郎氏「クローズアップ現代」の国谷裕子氏
の番組降板が相次ぎ、気概ある発言をするキャスターやコメンテーターを排除する動きが始まる
(政権与党に意見をいうキャスターがどんどん辞めさせられた時期
私はとても不穏な空気を感じて、当時Twitterで信頼できそうなジャーナリストや政治家の人をフォローし始めたっけ)
これは「権力の監視」というメディアの使命や機能を奪うということでメデイアにとっての大問題!
のはずなのに大手メディアは政権に萎縮し沈黙。物を言わなくなっていく。
しかしどうして?普通に考えて専門家でもない人物が勝手に解釈を変更するなんて横暴なことが本当にできるのか?
総務省もさすがに抵抗をしている
しかしここでも安倍政権下で内閣が閣僚の人事を掌握することができるよう変わった為に
官僚は内閣に反対意見が言えない言えば自分の首が飛ぶと言う構図が出来上がっていて
今回発覚した内部文書でも磯崎氏が総務省官僚を恫喝、脅して
政治的圧力をかけた実態が具体的に記され強引に変更させていた
安倍さんが亡くなり一人の総務省の職員が総務省勤務経験のある小西洋之議員に内部文書を手渡したことでこの問題が発覚し国会で追及
これを知らぬ、捏造とシラを切り、嘘でなければ議員辞職をするとまで言い放った高市氏
その後、省の役人が全て公式な文書と認めたにも関わらず
今回の内閣改造でもまた岸田総理の横で大臣として並んだ時ほんと開いた口が塞がらというか
本当に国民は舐められているんだなぁ…
しかし小西議員も高市氏を追及して辞任させるということは二の次で目的は放送法の解釈を元に戻すということ
記者会見では文書を発表したにも関わらずメディアではほとんど報道されずテレビでは文書の是非より高市氏の辞職問題だけを報じていた印象
この後小西議員はテレビ中継されていない委員会で
総務省から「安倍政権下の解釈は撤回する」という発言を引き出すのですが
この撤回は事前に総務省から「テレビ中継される委員会では撤回することはできない」という申し入れがあった
もう文書の存在は明らかで逃げれないから認めるが
撤回された事実はなるべく知られたくない(ので中継されない委員会なら認めてあげるよ)
この瞬間の映像は今回初めて世に出たそうで
この撤回の経緯や事実を私も今回この映画で初めて知ることができたのです
でも…テレビ中継はされずとも国会に張り付いている記者クラブはこの事実を知っていた(記者クラブの問題もありますね)
がテレビのニュースにはならない(朝日と東京新聞が社説で取り上げた程度)
今でも撤回されたことをどれだけのテレビ制作側が知っているか疑問だと話す小西議員
本当にメディアにとっても重要な問題なはずなのに
いつまで忖度や萎縮を続けていくのか?
は〜〜この問題の流れだけでこんなに長くなってしまった
いったい誰がこんな長い文を最後まで読んでくれるのかな? 汗
内部告発し文書を手渡した職員の方は国家公務員は「国民全体の奉仕者として、 公共の利益のために勤務しなければならない」と伝えたと言います
明らかなる公的文書に高市氏の議員やめる発言
ほんと赤木さん事件とかぶります
解釈の変更って安倍政権下にどんだけされてきたのでしょう?
アフタートークに
田原総一郎さんと監督の村田吉廣さんが登壇され
村田さんがまだまだこのシリーズでやらなきゃいけない問題がたくさんあると
本当に学術会議の任命問題とか他モヤモヤした問題色々ありますよね
是非このシリーズを撮り続けていただきたい
監督が今見てくれた人がドミノの先端の方ですと仰っていて
なのできっと誰も読まないだろうと思いながら
それでもこんなダラダラと書いてしまっている
耳と目を奪われてはならない
知る権利のある国民がそれを放棄してはいけない
観て聞いて知ったなら考えよう
そしてちゃんもNOと言おう
この手の政治的なドキュメンタリーを見にいくと
高齢な方ばかりが観にきていて
若い子がほとんどいないように感じる
もっともっと多くの人に観て欲しい
しかし東京で1館1回のみ
上映が今後広がりますように
まずは自分の子供達に見せないとなぁ