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嫁ぐ日のseapony3000のレビュー・感想・評価

嫁ぐ日(1956年製作の映画)
4.0
新兼×吉村公三郎コンビで松竹。池野成の音楽オープニングからちょっと重たくてぞくぞくさせる。身寄りのない未亡人嫁の津島恵子、劇作家の斎藤達雄、立場は違うけど居場所をなくしかけた者ふたり。戦後からこっち才能枯れて気力も失った斎藤達雄が毎週通う大磯松竹劇場。小津の早春只今絶賛上映中。津島恵子に密かに恋心を寄せる義弟・田浦さんが背中を掻いてもらうシーンがやたらと良い。義父を心配しながら淡々と嫁いでいく津島、やはり時流と才能から見放される斎藤達雄も抜け殻からさらに吹っ切れて前向きに書いていく決心を妻に伝えるラスト、に泣く。俳優座全面協力。ベレー帽で天真爛漫なブリブリの東山千栄子。「俳優座か〜」「俳優座といえば滝沢修とかの?」「それは民藝〜」みたいなやりとりもあったりしてなんだか楽しい。劇団には宮口精二にオザエイも。
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