ねむろう

夢みる校長先生 子どもファーストな公立学校の作り方のねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_236


公立学校を”ハック”する!!


【簡単なあらすじ】
60年前から通知表や時間割のない「総合学習」を続けてきた長野県伊那市立伊那小学校、2020年度の通知表を廃止した神奈川県茅ヶ崎市立香川小学校、校則をゼロにした東京都世田谷区立桜丘中学校、宿題を廃止した東京都武蔵野市立境南小学校などを取材するほか、元文部科学省事務次官の前川喜平、教育評論家の尾木直樹ら専門家にも話を聞く。



【ここがいいね!】
いくつかの小・中学校取り上げて、その学校の中で行っている「子どもファースト」な取り組みを行っている校長先生たちを記録していく作品。
「今日の学校教育は、もっと自由であるべきだ」と改めて思いました。
世間の9割9分の人々が考える「学校」や「学校教育」「学校での生活」というものは、実はもっと自由にできるし、これまでのやり方を打破できるんだということを、改めて気づかされる映画でした。
しかも、学校の運営は校長の裁量如何で、想像以上に自由にできるというところを伝える強さを見たように思います。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
この作品は「夢見る校長先生」というタイトルですので、校長先生がフィーチャーをされているわけです。しかし、その一方で教員と保護者が不在だったかなと思います。
学校の中で「子ども」というのは、学校が用意したものから「こうしてください」「こうしてはいけません」ということに従って生きていくことが多いので、外部の視点として教員・保護者の意見がもっと入っていると良いと思いました。
もちろん、教員については何人か出てきましたけれども、校長のやっていることに実は反対をしている教員の話は一切出てきませんでしたし、同じように「困るんですよね」という保護者もいなかったところは、少し偏ってるなと感じました。
私自身も少し前まで中学校の公立中学校の教員をやっていました。
そんな中で、学校を縛っているのは先ほども言った「9割9分の校長」ですし、「9割9分の教員」ですし、「9割9分の保護者」の前例的な感覚に左右されてしまっているところはあると思います。
これが校長だけではなく、教員や保護者、そして地域、子どもが過半数、そして大多数になっていかなければ、本当の意味での「公立中学校の改革」はなされたとは言えないと感じます。



【ざっくり感想】
「結局、これは本当に特異なただの一例でしょ」という域を出ていないとは思いました。
もちろん、だから意味がないということではなく、これをいかに多くの人が知って、多くの人が改革に乗り出すかが重要なのだと思いましたし、私も教育の現場からは離れましたが、そうであってほしいと切に思った作品でした。
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