りゃっち

ジョー・ブラックをよろしくのりゃっちのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

死神と死が近づく金持ちの成長物語。

死生観だけでなく、お金と幸せの関係、親子の愛情、正体の分からぬ『誰か』を愛せるか…など普遍的なテーマが一杯詰まった傑作だと感じた。ビルの娘に対する想いや会社の経営方針などに対する姿勢がかっこよかった。

ジョーが一方的に力を握っている様に見えるが、ビルのそれに屈せずプライドを見せる生き方に、ジョーがリスペクトを抱いたんじゃないかと思った。誰も恥ずかしさや孤独感を言い訳にせず、毅然とした態度を振る舞っているのに憧れた。ドリューの描き方は勧善懲悪っぽくも見えたが、それでさえも生きているうちのワンシーンでしかないと言わんばかりに淡々と描く、善と悪に分けない達観したような捉え方が好きだった。

アンソニー・ホプキンスとブラッド・ピットの演技が良かった。死神と死にゆく者という関係性は特異だけど、絆という言葉が相応しい二人だと最後の花火のシーンで思った。
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