【第73回ベルリン映画祭　パノラマ部門エキュメニカル審査員賞】
フランスのレア・フェネール監督作品。新人助産師の二人を中心に、人員不足でトラブルと闘いながら働く様をドキュメンタリックに描いている。

いい作品だった。『揺れるとき』で撮影を担当したジャック・ジローによる縦横無尽に動くカメラは臨場感があり、本当にドキュメンタリーを観ているようだった。

ルイーズとソフィアという二人の新人助産師、そして先輩たちの直面する多忙っぷりは凄まじい。ルイーズが成長していく一方でソフィアは壁にぶつかる。彼女らの葛藤を丁寧に描きつつ、同僚助産師たちの心の内も映し出していく。

人手不足に慣れきったリーダー的な人、改善しようと動く人、助産師を見下している医師など多様なキャラクターを自然に描写している。動き回るカメラの効果もあり、それぞれに寄り添うようにナチュラル。

終わり方も実によく、多忙をそのまま受け入れず、人間性を取り戻そうとする。コロナのこともあり、医療現場での人手不足に一矢報いた意義ある作品と言える。

• #SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023
• #第73回ベルリン国際映画祭

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて。

「世界で最も美しい仕事」と言われる助産の仕事の現実。「愛について、ある土曜日の面会」のレア・フェネール監督作。

重労働、命を扱う仕事なのに薄給、産婦人科の話ではあるけど、他の業種でもやや当てはまる部分あり。

まさにやりがい搾取的な状況なんじゃないか。ルイーズとソフィアはやっと目指していた職に就いたのに、まるでブラック企業のようなオーバーワークとストレス。

わたしだって大変、家族ともろくに顔を合わせられない…とか言いたくなるのもわかるが、その怒りと不満はやはり業界全体さらには国家に向けないと…と思ったらやっぱりデモが起こっていた。

職種は全く違うがタイミング的にハリウッドのストライキが頭を過った。
助産の仕事は新生児の命にも関わるからストライキは難しいだろう。こういう生活や命に関わり欠かせない仕事はもっと処遇を改善すべきで、フランスだけの話ではなく日本でももっと考えるべき事だと思う。

• #医療病院製薬関連映画_みむさん

まるでドキュメンタリーの様な現実社会を捉えた半分ノンフィクション？と感じる映画。
仕事に慣れてきた《社会人あるある》もあり、最後の野外でのシーンは感動する。

物語：戦場のような喧騒の病棟で、助産師たちは生まれてくる命に日々祈りを捧げ続ける。

キャラクターみんな共感出来る部分がある。